Nord Electro 7 — 次世代ステージキーボードの全貌

キーボード

2026年1月に開催されたNAMM Showで、Clavia(Nord)がステージキーボードの新モデルNord Electro 7を発表しました。従来のElectro シリーズをベースに、新しいシンセセクションや改良されたオルガンエンジンを搭載し、見やすい高解像度カラー液晶を採用するなど、多くの機能強化が行われています。本記事では公式情報と一次メディアのレポートに基づき、Electro 7の特徴や仕様を詳しくまとめます。

https://info.shimamura.co.jp/digital/newitem/2026/01/164041-namm26

ハイライト — Electro 6からの進化点

  • 新設計のフロントパネルと高解像度カラー表示 – 新しいパネルとカラー表示により、サウンド選択や設定が分かりやすく、ステージ上での操作性が向上。
  • 物理ドローバー搭載 – 全モデルにLED付き物理ドローバーを装備し、直感的なオルガン操作が可能。
  • ピッチ・スティックとモジュレーション・ホイール – 73鍵モデルとHPモデルではリアルタイム・コントロール用のピッチ・スティックとモジュレーション・ホイールを装備。
  • 新しいシンセセクション – 従来のサンプルベースのシンセに加え、バーチャルアナログ・シンセサイザーとFMシンセを搭載。モノ・レガート・グライドモードやデュアルADRエンベロープ、レゾナンス付きローパスフィルターを備える。
  • Nord Organ 3エンジン – オルガン部はNord Organ 3をベースにした新エンジンを採用し、トーンホイール、トランジスタ、パイプオルガンの忠実なモデリングやロータリースピーカーの改良が行われている。
  • 専用エフェクトチェーン – オルガン、ピアノ、シンセ各セクションに独立したエフェクトを搭載。スプリング/ルーム/ホールなどのリバーブや、新しいアンプシミュレーター、モジュレーション系エフェクト、コンプレッサーなどが追加された。
  • 新しいHPモデル – Electro 7 HPはカワイと共同開発した73鍵トリプルセンサー・ハンマーアクション・ポータブル鍵盤を採用し、アコースティックピアノ奏法に適したタッチを実現。
  • 価格と発売時期 – MusicRadarによると、61鍵モデルは£2299/$3299、73鍵モデルは£2499/$3599、HPモデルは£2799/$3999で発売予定。

セクション別機能詳細

オルガンセクション

  • エンジン – Nord Organ 3をベースにし、クラシックなB3・Vox・Farfisa・パイプオルガンのサウンドを収録。
  • B3モデル – 新品同様のクリーンサウンドからビンテージ感のあるロードワーンなトーンまで3種類のトーンホイールモードを選択可能。パーカッション機能にはポリモードも搭載。
  • Vox・Farfisaモデル – Voxは波形とフィルター、キーボードクリックやビブラートが刷新され、Farfisaはオリジナル機構の複雑なフィルター相互作用まで再現。
  • ソフトB3とパイプオルガン – キークリックなどのアーティファクトを抑えた柔らかいB3サウンドや、主鍵群(principal ranks)を再現したパイプオルガンが用意されている。
  • ロータリースピーカーとマイクポジション – 新アプローチによりロータリー・スピーカーとアンプの特性を再現し、クローズ・ワイド・XYの3種類のマイク配置を選べる。

ピアノセクション

  • Nord Piano Library互換 – グランド、アップライト、エレクトリック、デジタル/レイヤー、クラヴィネット/ハープシコード、マレットなどのカテゴリーを用意し、Nord Sound Managerで自由に入れ替え可能。
  • ダイナミックコンプレッションとユニゾン – ピアノサウンドのレベル変化を均一に保つダイナミック・コンプレッサーや、3段階のユニゾン量設定、個別のティンバー調整を備える。
  • 120ボイス・ポリフォニー – ピアノライブラリーのサウンドは最大120ボイスの同時発音が可能。

シンセセクション

  • サンプル、アナログ、FM音源 – サンプル音源に加え、バーチャルアナログ・オシレーターやFMパーシャルを搭載。カットオフとレゾナンスを備えたローパスフィルター、Amp/Filter/FM用のADR/ASRエンベロープ、モノ/レガート/グライドモード、ユニゾン(3段階)、ビブラートなどを装備。
  • Nord Sample Library互換 – Spitfire StringsやMellotronなどを含む豊富なサンプルライブラリーをロードできる。

エフェクトセクション

  • 専用エフェクト – オルガン・ピアノ・シンセ各セクションごとに独立したエフェクトチェーンを持ち、スプリング/ルーム/ホール/ステージ/カセドラルなどのリバーブ、Ping‑Pong付きディレイ(アナログモードやグローバルモード、タップテンポ付き)や、Brit/Suitcaseなどのアンプシミュレーター、コーラス・フェイザー・フランジャー・ビブラート・リングモジュレーターなどのモジュレーション系エフェクトが利用できる。
  • コンプレッサーとEQ – 専用コンプレッサーに加え、スイープ可能なミッドバンドを持つ3バンドEQを搭載。

その他の機能

  • シームレス・トランジション – プログラム切替時に音切れを起こさないシームレス・トランジションを実現。
  • スプリットポイントとクロスフェード – 9か所のスプリットポイントをLED表示で確認でき、スプリットポイント付近のクロスフェードも設定可能。
  • プログラム管理 – 20バンク×25プログラム(計500プログラム)を保存し、ライヴ演奏向けに5つの「Live」プログラムモードを備える。
  • 外部キーボード機能 – Auxiliary Keyboard機能により、外部MIDIキーボードから特定セクションを演奏することができる。
  • Expression Pedal Assign – エクスプレッションペダルでシンセのフィルターやエフェクト・パラメータをリアルタイム制御可能。

入出力と接続性

MusicRadarは、Electro 7の接続端子として、ステレオ音声出力、モニター入力、ヘッドフォン出力に加え、表現ペダル・サスティンペダル・ロータリースイッチを含むペダル入力、MIDI IN/OUT、USB‑B端子を挙げています。公式仕様でも以下の入出力が示されています:

  • オーディオ出力: 6.35 mmモノラル×2(L/R)
  • モニター入力: 3.5 mmステレオミニジャック
  • ヘッドフォン出力: 6.35 mmステレオ
  • ペダル入力: エクスプレッション(TRS)×1、サスティン×1(Nord Sustain Pedal 2やNord Triple Pedal 1に対応)、ロータリーコントロール/フットスイッチ×1
  • MIDI端子: DIN 5ピンのMIDI IN/OUTとUSB‑B端子(MIDI、ソフトウェア更新、サウンド転送用)
  • 電源: IEC C14電源コード

モデル・サイズ・重量の比較

モデル鍵盤タイプ寸法(mm)重量
Electro 7 6161鍵セミウェイテッドウォーターフォール(C–C)901 × 104 × 294約 8.3 kg
Electro 7 7373鍵セミウェイテッドウォーターフォール(E–E)1,066 × 104 × 294約 9.5 kg
Electro 7 HP73鍵トリプルセンサー・ハンマーアクション・ポータブル(E–E)1,070 × 130 × 341約 13.0 kg

価格と入手時期

MusicRadarは、2026年の発売時期にElectro 7の価格を次のように伝えています:

  • Electro 7 61 – £2,299/$3,299
  • Electro 7 73 – £2,499/$3,599
  • Electro 7 HP – £2,799/$3,999

記事では「今年後半に出荷される予定」と報じられており、具体的な発売日や国内価格は公式サイトの更新を待ちたいところです。

まとめと所感

Nord Electro 7は、ステージピアノ/オルガンの代表機種として培ってきた電気ピアノとオルガンの魅力を維持しつつ、フル機能のシンセサイザーを搭載することで、1台で幅広いジャンルに対応できる万能楽器へと進化しました。オルガンプレイヤーにとっては物理ドローバーやロータリースピーカーのアップデート、ピアノ奏者にとっては新しいダイナミックコンプレッションと豊富なピアノライブラリー、そしてサウンドデザイナーにとってはアナログ/FM/サンプルによるシンセが魅力です。重量も比較的軽く、ライブプレイヤーにとって扱いやすいサイズに収まっています。

一方、価格は従来モデルよりも高く設定されており、Electro 6ユーザーが買い替えるかどうかは新機能や鍵盤のタッチを重視するかで判断が分かれそうです。いずれにしても、Nordのステージキーボードの最新モデルとして注目すべき1台であり、発売後のレビューや追加情報が期待されます。

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